除草剤の選び方について徹底解説!
庭や駐車場、畑などに生えてくる雑草にお困りではありませんか?
雑草対策には草刈りや草抜き、防草シート、砂利を敷くなど様々な方法があります。
対策の1つとして、除草剤の散布は非常に効果的な手段です。
しかし、除草剤は液体タイプと粒剤タイプといった種類や製品が沢山あるので、どれを選べばいいかわからない、という方もいらっしゃると思います。
この記事では除草剤の選び方について詳しく解説します。
安全で、効率的に除草をする為にも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
【そもそも除草剤とは】
“除草剤”と聞くと、なんとなく草を枯らす薬品、というイメージはあるかと思います。
除草剤とは、農薬の一種です。
害虫を防除する殺虫剤や作物の病原菌を防除し、作物を病害から守る殺菌剤などと同じように、雑草を防除するのが除草剤です。
除草剤を使う事により、作物の生育を妨害し、収穫量や品質を低下させる雑草や、人間の生活の妨害となる雑草を防除できます。
雑草をやっつける事を目的とした薬剤なので、ほとんどの除草剤は動物や病原菌に対する作用はありません。
【液体除草剤と粒剤除草剤】
除草剤は液体タイプと粒剤タイプの2種類に分けられます。
◆液体除草剤
液体タイプの除草剤を使うと、比較的早いスピードで雑草を枯らす事ができます。
液体タイプの除草剤は原液タイプ(希釈して使用するタイプ)と、そのまま使えるストレートタイプがあります。
原液タイプは、雑草全般に効果がある液剤と、芝生の中に生える広葉雑草を枯らす液剤があります。
希釈して散布するので大量の散布剤が作れますので、広い面積に撒くのに適しています。
土地に散布するタイプとは異なり、直接葉に散布する為、除草剤の成分がすぐに吸収され、効果が早く現れます。
ストレートタイプは、小面積やワンポイントで雑草をやっつけたい時に効果的です。
雑草にサーッと撒くだけで、手軽に雑草を枯らす事が可能です。
茎葉部分に散布し、葉から吸収して効果が発揮されます。
雑草全般に効果のあるタイプと、イネ科植物の芝生には影響を与えずに、その中に生えている広葉雑草を選択的に枯らすタイプがあります。
有効成分は主に茎・葉から吸収されるので、伸びている雑草にも有効です。
◆粒剤除草剤
粒剤除草剤は一年生雑草から多年生雑草まで退治するものがほとんどです。
(一年生雑草・・・発芽から枯れるまでの期間が一年以内の雑草。
多年生雑草・・・発芽後に地上部は枯れるが、根は枯れずに生き残り、翌年に再生する雑草。)
除草剤が雑草の根から吸収して効果を発揮するので、雨上がりなど地面が湿っている時に散布するのがいいでしょう。
大きく伸びた雑草には不向きですが、これから生長しようとしている雑草を枯らし、発芽を抑える作用もありますので、長期間に渡って持続するものが多いです。
パラパラと撒くだけで雑草を枯らし、長期間雑草の発生を抑えます。
有効成分は主に根から吸収されるので、発生前の予防散布や生育初期の雑草に効果的です。
【登録除草剤と無登録除草剤】
次に、登録除草剤と無登録除草剤の違いについてご紹介します。
◆登録除草剤
登録除草剤は、農林水産省が定める農薬取締法に基づく登録を受けている除草剤です。
(農林水産省登録番号:第〇〇〇〇号)
登録除草剤の中でも食用作物の周辺に使用できる”農耕地用除草剤”と、その他の植物の栽培や管理目的に使用できる”非農耕地用除草剤”があります。
例えば、畑や果樹園などの場所では農耕地用、公園や庭園などの場所では非農耕地用になります。
適用作物や場所については商品に記載されています。
また、有効期限もあるので、使用する際はきちんと確認しましょう。
◆無登録除草剤
無登録除草剤は、農林水産省が定める農薬取締法に基づく登録を受けていない除草剤をいいます。
農薬として使用する事ができないので、植物の栽培・管理目的での使用は禁止されています。
もし違反した場合は、使用者は法律により罰せられます。
登録除草剤と違って有効期限はありません。
【除草剤の使い分け方】
◆液体タイプか粒剤タイプか
2月~3月頃の雑草が生える前~まだ背丈が低い内は、効果が長期間持続する粒剤除草剤を選びましょう。
粒剤除草剤を撒く際は、雨上がりなど、土壌が湿っている時がオススメです。
雑草の背丈がある程度高くなっていたら、即効性のある液体除草剤がいいでしょう。
液体除草剤を撒く際は、天気が良く、散布後にすぐ雨が降らない天気の時がオススメです。
◆登録除草剤か無登録除草剤か
田畑や果樹園などといった食用の農産物がある場所では、その農作物に適用している登録除草剤の”農耕地用除草剤”を使用しましょう。
公園や庭園、花壇などでは、登録除草剤の”非農耕地用除草剤”が効果的です。
駐車場、運動場、道路などでは、無登録除草剤がいいでしょう。
【高い除草剤と安い除草剤の違い】
除草剤を選んでいると、高いものや安いものがあるのに気が付くと思います。
金額に差がある理由は「含有成分の種類と量」と、「開発費・登録費」にあります。
◆含有成分の種類と量
まず、入っている成分によって金額は異なります。
例えば、茎葉処理型除草剤と、茎葉処理型+土壌処理型の効果がある除草剤とでは効果が違うので、金額に差が生じます。
また、原液タイプかストレートタイプか、という違いもあります。
原液タイプは希釈するので散布できる量が増える為、ストレートタイプと金額が異なります。
◆開発費・登録費
除草剤を開発するには、莫大な時間と開発費用がかかっています。
何度も実験を重ねて試行錯誤して開発され、特許も取得し、開発費が原価に上乗せされて販売されます。
ただ、一定期間経過すると特許切れに伴って、今まで開発したメーカーのみが作っていた除草剤も、他のメーカーが同等の成分で安価に販売するようになります。
また、製品によっては農林水産省に登録してもらう必要がありますが、この登録費にもお金がかかります。
同じ成分でも、農林水産省の登録除草剤と、非登録除草剤とでは金額が異なります。
【シーン別オススメ除草剤】
「雑草を枯らして植物を植えたい」
除草剤を撒いた後に植物を植えたい場合は、残効性がなく、土に分解される成分の液体除草剤をオススメします。
畑で使用する際は、必ず育てたい農作物が登録されている除草剤を選んでください。
「樹木の周りに生えている雑草を枯らしたい」
液体除草剤、粒剤除草剤どちらも効果的です。
液体タイプを使用する場合は、樹木の幹や根にかからないよう、十分注意したうえで雑草に直接散布しましょう。
粒剤タイプを使用する場合は、樹木の枝張りの先端まで根が張っているので、そこから1m離して散布するようにしてください。
「傾斜地で除草剤を使いたい」
傾斜地の雑草を枯らしたい場合は注意が必要です。
根まで枯らしてしまうと、地盤が緩くなり、傾斜が崩れてしまう恐れがあります。
傾斜地では地上部のみを枯らして根は枯らさない除草剤、グルホシネート成分(アミノ酸系)の除草剤がオススメです。
「子供やペットがいるが除草剤を使いたい」
家庭用除草剤として販売されている登録除草剤は、様々な試験をクリアーしているので、使用上の注意をしっかり守って使用すれば安心・安全に使用する事ができます。
また、含まれている成分は植物特有の光合成などを阻害して枯らすので、人体やペットにも安全性が高いと言えます。
どうしても気になる場合は、食品成分から出来た除草剤がオススメです。
【雑草対策は植木ドクターへご相談ください!】
いかがでしたでしょうか。
除草剤にも沢山の種類や製品がある事がお分かりいただけたかと思います。
場所やシーンによって適した除草剤を選びたいですね。
植木ドクターでは除草剤散布のご依頼を承っています。
「自分で除草剤を使うのは不安」「広い畑なのでお願いしたい」などございましたら、お気軽にお問合せください。
親切・丁寧に対応させていただきます(^^♪
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