枝払い・枝打ち・剪定の違いとは
樹木の枝を落とす作業として枝払い・枝打ち・剪定があります。
枝切りや枝落としと言われることもありますが、この二つは特に深い意味合いを持っているとは限らず、目的に応じて枝を切り落とすことを指します。
しかし、枝払い・枝打ち・剪定は業界用語で、それぞれが違う意味を持っているので注意しましょう。
樹木のメンテナンスを業者に依頼するときには、3つの言葉を使い分けるのが大切です。
この記事では枝払い・枝打ち・剪定の違いをわかりやすく解説します。
目次
枝払い・枝打ち・剪定の大きな違いは目的
結論としては、枝払い・枝打ち・剪定の3つの枝切りで大きく異なるのは目的です。
目的に合わせて方法を選び、適切なやり方で枝を切ります。3つの作業の目的をまずは詳しく見ていきましょう。
枝払いの目的
枝払いの目的は木を加工して木材にすることです。
林業で育ててきた樹木を伐採した後、木材としての利用価値が高い幹の部分を加工しやすいように枝を落とすのが枝払いです。
枝を幹から完全に落とすことで丸太ができあがります。
枝払いは造材作業で初期におこなわれるプロセスで、さらに材木を切り揃えることで木材が完成します。
枝打ちの目的
枝打ちの目的は林の生育環境を整備することです。
枝打ちは林業で品質の高い材木を生産できるように林全体の環境を整えるために不要な枝を落とす作業です。
生育環境の整備には大きく分けると3つの考え方があります。
・節のない材木の生産
枝打ちを早い段階でおこなっていくと材木の節がなくなります。
枝が太くなるまで成長させてしまうと、枝払いをしたときに節ができてしまって品質的にはやや低くなります。
無節材と呼ばれる節のない木材は強度も優れていて、加工も容易なので付加価値が高いのが特徴です。
林業を営む上では高く売れるメリットがあるので、丁寧な枝打ちをするのが重要です。
・林の植生の改善
枝打ちは樹木を育てている林の植生を改善する目的でもおこなわれます。
林で枝打ちをせずに樹木を育てていると地面まで太陽の光が届かなくなり、生き物が生育するのが難しい環境になります。
枝打ちをして太陽光が地面に届くようにするとさまざまな植物が育ち、昆虫や菌類などで賑わう環境にすることが可能です。
樹木が元気に育つためには土壌環境を良好に保つ必要があります。
植生が良好な状況を保つのは欠かせないポイントです。
・病害の防止
枝打ちには病害を防止する目的もあります。太陽光が入らない湿潤で暗い林では病原菌の繁殖や病虫害の発生が問題になりがちです。
病害を受けると樹木の生育が悪くなるだけでなく、最悪の場合には枯れてしまいます。
スギノアカネトラ上期利用中はスギやヒノキなどの病害虫として知られています。
枝打ちをしない林での被害が広がっている典型例です。
サルノコシカケなどの菌類についても病害リスクがありますが、光が入る明るい環境を整えることで被害を減らすことが可能です。
剪定の目的
剪定の目的は樹木を個別に手入れすることです。
林業ではなく造園の目的でおこなわれる作業で、一本ずつ丁寧に手入れをします。
剪定は住宅の庭木や、オフィスの屋上庭園などで必要とされる枝切りです。
剪定の目的は大きく分けると3つあります。
・美観を保つ
剪定は樹木を美しい状態に保つためにおこないます。
手入れをせずに放置していると無造作に成長してしまい、樹形を保てなくなってみすぼらしくなりがちです。
定期的に選定をして不要な枝葉を切り落とし、全体の美観を保つようにします。
美しい庭を保ちたい、憩いの場になる屋上庭園を維持したいというときに必要な作業です。
・大きさを保つ
樹木は成長するので大きさを保つ目的でも剪定が必要になります。
全体を切り揃えて美しくするのももちろんですが、枝が伸びて隣の家にクレームを付けられるといったトラブルの対策としても重要です。
樹木が高くなると家が影になってしまって暗くなり、住環境が悪くなる場合もあります。
適度な高さに剪定して大きさを維持すると快適な環境を保つことができます。
・害虫被害を防ぐ
剪定は枝打ちと同様に病害防止することも目的です。
庭木がたくさんあって生い茂っている状況になると、日当たりが悪くなって病害が発生しやすくなります。
風通しが良くて太陽の光が地面まで届く状態を保つことで、樹木が健全な状態で育つようになります。
柿や栗などの実のつきもよくなるので、収穫量を増やすのにも剪定が効果的です。
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枝払い・枝打ち・剪定の作業の違い
枝払い・枝打ち・剪定は枝を切ることが共通しているだけで、作業内容は同じではありません。
技術的な要求も異なるので、枝打ちはできても剪定はできないといった業者もあります。
ここでは3つの枝落としの作業の違いについて簡単に解説します。
枝払いの作業内容
枝払いでは斧やチェーンソーを使用して幹の付近で枝を切り落とします。
枝が細い場合には斧で落とし、太いときにはチェーンソーを使用するのが一般的です。
丸太として木材に加工しやすいように、美しく付け根の部分から切り落とす作業です。
枝打ちの作業内容
枝打ちでは鉈や斧、あるいはノコギリやチェーンソーを使用して作業します。
枝払いと違って必ずしもきれいに付け根から切り落とす必要はなく、不要な枝を選抜して生育環境を改善させるのが基本です。
節をなくすには根本に近いことが重要ですが、細い枝のうちに鉈で枝を落とせばその時点で生育が止まって節が大きくならずに済みます。
剪定の作業内容
剪定では作業内容が多岐にわたっていて、依頼主の希望に応じて具体的な作業を決めます。
枯れた枝や病気の枝などを落として健全な状態にするのは基本ですが、どのくらいの大きさにするか、形状をどうデザインするかはケースバイケースです。
使用する道具もノコギリ、ハサミ、バリカンなどのさまざまな種類があります。
3つの枝落としの中でも最もスキルと対応力が求められるのが剪定です。
業者に依頼するときの選び方
枝を業者に切ってもらいたいときに、枝払い・枝打ち・剪定のどれを選んだら良いのでしょうか。
ここでは業者に依頼するときの言葉の選び方の基本を紹介します。
庭木や庭園の手入れなら剪定
住宅の庭木やオフィスビルの屋上庭園などの手入れなら剪定です。
美しくしたい、近隣トラブルの対処をしたい、庭の雰囲気を変えたいといったさまざまな希望があるでしょう。
プロの業者に相談すれば目的に合わせて剪定のプランを立てて提案してくれます。
定期メンテナンスを依頼して、いつでも美しい状態を保つことも可能です。
林業を営んでいるときを除くと、基本的には剪定を依頼すれば良いと考えて問題ありません。
伐採した木を木材にするなら枝払い
林業を営んでいて伐採した木を木材として売れるようにしたいなら、枝払いを依頼しましょう。
林業でなくても、庭木を伐採して違う用途で使いたいといったときには伐採と枝払いを依頼すると良いでしょう。
伐採だけ依頼して切り倒した樹木を捨ててしまうよりも、木材として有効活用できれば売ってお金にできるからです。
立派に育った庭木を切り倒すときには伐採を依頼しなければならないでしょう。
その際に枝払いも合わせて相談するのがおすすめです。
林を整備するなら枝落とし
林業を営んでいて林の生育環境の整備をしたいなら枝落としです。
枝落としを自分で全部やっていたけれど、後継ぎがいなくてなかなか手が回らなくなってしまっているケースはよくあります。
林の良好な状態を保ちたいと思ったなら、業者に枝落としを依頼しましょう。
自分が枝落としをするときにサポートしてもらうといった対応もできる業者もあります。
林の整備をするためのサポートが欲しいと思ったときには気軽に業者に相談してみるのがおすすめです。
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枝払い・枝打ち・剪定は、どれも枝を切って落とすという意味は同じです。
枝払いは造材、枝打ちは環境整備、剪定は造園が主な目的になっているので区別して考えましょう。
枝を切って欲しいときには業者に枝払い・枝打ち・剪定のどれを希望しているのかを伝えられると相談がスムーズに進みます。
林業を営んでいる場合を除くと、剪定が目的のことが多いでしょう。
枝払い、枝打ちに比べると剪定は求められる技術やセンスが違い、慣れているプロに依頼しないと期待通りの結果になりにくい性質があります。
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